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HOME > 鵬玉会 > 夢録 > 十四 塩川寶祥照成先生 1 > 十四 塩川寶祥照成先生 2
5)武道には「守・破・離」の三つの段階がある
▲後年、東京に指導に来られていたころの塩川先生。 |
新名宗家 そう思ってくれるのは嬉しいけどね。武道の世界では守・破・離の三つの段階があると言われます。私の弟子でもほとんどは「守」の段階から進めず、逃げ出す者も多いんだよ。
武田 どの武道、流派にもある話だと思っています。
新名宗家 私が塩川先生から離れて十年。しかし、離れても先生は先生だ。修業時代のことは今思い出してもなぜか楽しい思い出ばかりだ。だから先生の奥様にはよく近況をそれとはなく電話でお聞きしていた。
武田 下関に稽古に行かれていたんですよね。
6)下関の塩川先生の道場での修業時代
新名宗家 ときどき会社を一週間や十日休んだりしてね。偉大な先生だった。私は身近にいて学ぶことができたことを幸せに思うよ。先生の道場で深夜まで稽古していたことを最近よく思い出すんだ。塩川先生は「おい、ここは俺の道場だから自由に使え」と言ってくれる。
武田 幸せな環境ですね。温かいお言葉です。
新名宗家 夜10時くらいまで指導を受けたあと、そのまま道場で一人稽古をするだろ?先生は「俺はもう上に上がるからな」と階段をのぼっていく。しばらく稽古をしていると、ビール瓶を片手に降りてきてこう言うんです。「新名、足が違うぞ」と。見ていないのに、なぜわかるのか?音を上で聞いていて、「違う」と気づいたんだな。当時はびっくりしたなあ。
武田 塩川先生はご宗家の今も、きっと奥様を通じてご存知だったんでしょうね。
7)亡くなられる前に塩川先生が受け取った手紙
新名宗家 さっき話した、武道の世界の「守・破・離」の三つの段階のことなんだが、実は、先生が亡くなられる直前、私が先生から受け継いだものを守り、そして「破」の段階を経て、「離」の段階に入ったと思ったんだ。そこで、このことを昨年12月に先生にお手紙した。どう思われるかはわからなかったけど、純粋に弟子として師に伝えたかったんだよ。
武田 弟子から手紙をもらって喜ばない師はいないような気がします。
8)塩川先生は新名宗家の手紙を枕の下に入れていた
▲下関の塩川先生の道場で修業時代の新名宗家。 |
新名宗家 先生が亡くなってから奥様に聞いたんだが、その手紙を亡くなるまで枕の下に入れ、読み返してくださっていたそうです。「アイツはやる」とおっしゃっていた、ということを聞いて胸が熱くなったよ。
武田 ご逝去前にお手紙が間に合ってよかったですね。
新名宗家 私は先生からたくさんのものを受け継ぎ、今では一門を率いています。先生がその成長を喜んでくださったことは、同じように弟子を預かる立場としてよくわかります。
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